横浜市南区Lマンション 大規模改修
概要
RC造(鉄筋コンクリート造)4階建
施工箇所
塗装工事(外壁・内廊下)・屋根(アスファルトシングル)・付帯部(手すり・配電ボックス・玄関戸等各部鉄部)
防水工事(屋上・バルコニー・廊下・階段防水)
サッシ(シーリング打ち換え)
新設(廊下長尺シート・雨樋追加)
施工内容
鉄筋コンクリート造の集合住宅大規模改修です。
既存色の歴史を感じるベージュ色から、ラグジュアリーな雰囲気のチョコレート色に生まれ変わりました。
屋上とバルコニーは防水工事を行い、共有廊下と階段は長尺シートの新設によって、機能も見た目も高級感ある外観に変身。
築古のイメージを払拭し、ヴィンテージマンションへ上位互換!
現況調査
先ずは建物の詳細を「塗装の職人」ならではの視点で観察・調査します。今回は防水箇所も多いため、防水職人と共に現況調査を行い、お見積をご提出しました。
外観調査:正面
先ずは建物の正面。遠目にみても、白っちゃけていて、塗膜が朽ちているのが分かります。
また、アルミサッシの色に歴史を感じます。
それでは近くで見てみましょう。
外観調査:入口階段付近
不思議な位置にある引戸が…こういう状態を「超芸術トマソン」といいます笑
しかし引戸の下に何かを擦った跡があるので、ゴミの集積所でしょうね。
外壁は過去にクラックを補修した跡が複数あります。
また、階段の傾斜部分は補修跡が目立っていますし、補修箇所が劣化しています。
鉄部の手摺にサビが目立ちます。
入口の鉄部が錆びていますから、他の鉄部も想像ができます。
階段のスロープ部分はステップ毎にクラックが走っています。
おそらくコンクリートの肉厚が足りていないために、ステップの角と同じ位置にヒビ割れが発生しています。
外観調査:階段踊り場付近
あちこちにクラック補修の跡が見られます。
バルコニーの下部、天井の水切り(天井の隅にある切れ込み)付近にクラックがあり、エフロレッセンス(以後:エフロ)が発生していたようです。バルコニー内側の防水が切れ躯体に浸水した可能性が考えられます。色が茶色なのが気になります。もしかしたら鉄筋の錆かもしれません。
エフロはRC造の代表的な劣化で、特に築年数の長い鉄筋コンクリート造の建物に多く発生します。
手すり、物干し金物は鉄製のため、塗装が必要だと判断します。
外観調査:階段踊り場付近(逆側)
こちらも色々な箇所にクラック補修の跡があります。エフロによる腐食がリアルタイムで進行しています。
塗膜が破れ、その部分から雨水が浸入。色から考えるに内部の鉄筋の錆ではないようです。
錆であればもっと茶色いため、コンクリートのエフロが流れ出ています。
数歩入った入口で多くのクラックが見られましたから、全体では相当数劣化した箇所があると予想できます。
外観調査:ゴミ置き場金属屋根
踊り場から外側を見ると、ゴミ置き場の金属屋根が見えます。表面の状態は比較的良い状況です。
但し、外周部のシーリングが劣化しています。
外観調査:内廊下
建物の内廊下に入ります。
流石に内廊下は雨水の当たりが無いため、状態は良好です。
雨水が当たっていないため、逆に土埃が付着していました。
その他、配電ボックス等の鉄部には、あちこち錆が見られます。
外壁に比べて、鉄製の建材は表面劣化が起こりやすいため仕方がありません。
特に工場で生産された既製品の配電ボックスや金属ドアには、高品質な錆止め塗装が使われていないからです。
外観調査:鉄部
鉄製の建材をチェックします。
内廊下などの場所の鉄部は数年前に塗り替えている様子でした。
しかし手すりや樋のデンデン等、足場を設置しなければ施工できない箇所は補修が行われていません。
外観調査:外壁各部
外壁は相当数のクラックや爆裂箇所があり、一部塗膜内に雨水が浸入し、膨らんでいる箇所もありました。
また北面には苔の生えている箇所もありました。
外観調査:まとめ
防水切れによる雨水の進入箇所が複数ありました。
それによってクラックが発生しています。
外部の鉄部は、補修が必要な箇所が数多くありました。
非常にやりがいのある案件です。