横浜市金沢区N様邸 塗り替え工事
概要
木造・サイディング外壁(2階建)
施工箇所
外壁(サイディング)
バルコニー防水・付帯部(樋・破風・雨戸・雨樋・出窓屋根・庇・内階段塗装)
サイディング部シーリング打ち換え
屋根(人造スレート)
既存状況
N邸は築後の塗替えが行われておらず、各部がかなりの劣化が見られました。
釘打ちサイディングのため各部に割れが発生。また経年による表面劣化で全体的にくすんだ印象です。
シール箇所も劣化が進んでいました。
このような住宅も、塗替えで再生することが可能。
それでは施工内容を順を追ってご説明します。
現況調査 スレート屋根
屋根はスレート屋根。すぐ近くに森林があるため、苔の胞子の飛散量が多く、苔が屋根全体に発生していました。
苔は建物に植生することで、苔の根がスレート材の表面に入り込み、劣化を引き起こします。
新築当初の屋根材は、比較的表面が粗いため、苔の植生が発生しやすい表面形状です。
塗装を行うことでスレート板表面の凹凸が少なくなり、苔や藻の着床ができにくい形状になります。
塗料にも防藻・防カビ剤が添加されているため、塗替え後には苔の発生が少なくなります。
現況調査 サイディング
サイディング外壁は釘打ちサイディングのため、釘部にクラックが見られました。
サイディングは湿度の高低で膨張と収縮を繰り返すため、躯体とサイディング材の収縮率が違うと、固定してある釘がサイディング材を引っ張り、クラックが発生します。そのため、収縮率が一番大きくなる外壁の端の部分にクラックが発生しやすくなります。そのため現在では、釘打ち固定ではなくなり、サイディング材の裏に金具が付き、胴縁(外壁材を引っ掛ける躯体の一部)の金具に固定する方式になっています。
現況調査 サイディング
シーリング箇所にブリード(bleed 滲み)が発生していました。過去のシーリング材は、シーリング材の中に含まれている成分の可塑剤が劣化と共にサイディング材へ移ってしまいます。パンにバターが染み込むような状態です。
サイディングが伸び縮みをするため、湿度の変化でシール材も潰され、伸ばされを繰り返し、その力で可塑剤がサイディング材へ染み込んでしまいます。近年では可塑剤が壁材に染みこまないノンブリード(滲まない)シーリング材が一般的に使用されています。
現況調査 サイディング
写真右側のポスト上部の壁面。釘頭に腐食が発生し、サイディングが劣化しています。この箇所のみならず全体的に釘頭の部分が劣化していました。
現況調査 軒天井
バルコニー下は経年程度の劣化です。一部雨染みがありますが、バルコニー防水を行ってから様子見で対応します。
現況調査 バルコニー
バルコニーは汚れていますが、洗浄の後に防水を行えば、機能も美観も復活可能な範囲です。
それでは次のページから、施工の様子をご報告いたします。